今日も比較的過ごしやすい一日。湿度は少し高いですが、快適快適。
昨日はレコーディングに没頭し過ぎて、帰宅したのが朝方五時頃でした。アイディアをたくさん出し、ためつすがめつそれを眺め、試し、冷却させ、解凍し、最高の回答を探すのです。この作業がホント、昔から嫌いじゃない。
ライブも楽しいですが、穴蔵に籠って深く沈殿し、世界を変える言葉を見つけに行く思考の旅にえもいわれぬエクスタシーを感じます。
早くみんなに届けたくてウズウズしています。次回作に期待していて下さい。
さて、今日はコレ観ました。
「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」
監督/制作/脚本:ジム・マクブライド
主演:デニス・クエイド/ウィノナ・ライダー
あらすじ:
ロックスターを夢見るジェリー・リー・ルイス(デニス・クエイド)はエルヴィス・プレスリーを発掘した名プロデューサー、サム・フィリップスに自分の曲を売り込みに行く。彼の曲はたちまち全米で大ヒット。「火の玉ロック(グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー)」はビルボード1位を獲得する。だが、バンドのメンバーの娘である13歳のマイラ(ウィノナ・ライダー)と結婚したことをきっかけに、彼の人生は暗転する。。。
1989年制作。50年代のスーパースター、ジェリー・リー・ルイスの半生を描いた作品です。実は、このタイトルにもなっている「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」は、僕がカラオケで「ラ・バンバ」以外に歌詞を見なくてもそらで熱唱できる数少ないレパートリーの一つでもあります(笑)生まれた時から親のカーステで12年間聴き倒した楽曲ですから、耳からこびり付いて離れません。50年代、60年代のオールディーズなら任せて下さい。大変有名な曲なので、ジェリー・リー・ルイスを知らなくてもこの曲は一度ならずとも聴いたことがある人も多いのではないでしょうか?映画「トップガン」でも演奏されるシーンがありました。そのちょっとした場面にも小学生ながらに興奮したものです。
Maverick and Goose "Great Balls Of Fire" (Top Gun)
で、こちらが本家本元の火の玉ロック。アメリカの怪物番組、ディック・クラークのアメリカンバンドスタンドに登場したときのやつですね。
Jerry Lee Lewis Great Balls of Fire - Rock
観客の異常なほどの嬌声と熱狂からも分かる通り、キング・オブ・ロックと謳われていたあのエルヴィス・プレスリーにも迫る人気と勢いで、ピアノを叩くように弾きながら歌うスギちゃんよりもワイルドなパフォーマンスが売りでした。なんせピアノに本当に火をつけちゃう訳ですから、ワイルドだろ〜。(←初めて使ったわ)
その演出は、(ジョニー・B・グッドで有名な)チャック・ベリーに対抗しようと、ジェリーが観客を盛り上げるためにした突発的なパフォーマンスでした。そんな伝説的なライブもこの作品で再現されています。それにしても、本当にワイルドな男でバンドメンバー(しかも従兄弟!)の娘13歳の少女と結婚しちゃうわけですから、生き方までロックな人です。その13歳の妻であるマイラ役の若かりし頃のウィノナ・ライダーがとても可愛い。少女の無垢ゆえに危険性をはらんでいる無防備な純真が瑞々しく画面一杯に弾けています。それに輪をかけて、ジェリーも純真だから(笑)観ていてハラハラドキドキします。でも二人とも真っ直ぐに正直に生きているだけなんですね。
ただ、“真っ直ぐに正直に生きる”とういうのは周囲と様々な軋轢や圧迫を作るもので、その後の彼の音楽に次第に暗い影を落としていきます。。。エルヴィスや名プロデューサー、サム・フィリップスにチャック・ベリーの登場、当時のアメリカの保守的な背景や宗教概念、さらに全編を大好きなオールディーズの数々が彩り、僕的に大変ツボな作品でした。90点。とても楽しめました。
さらにこんな場面もニヤッとしてしまいます。
ジェリーの新作が快進撃を繰り広げるビルボードチャートにサム・クックの「You Send Me」がチラッと載っているのが映ります。
そして、それを越えちゃうという。
こういう細かい設定と発見、嬉しいですよね〜。
僕もなかなかのサム・クック・テイスト・ハンターでしょ。
ちなみに、ジェリー・リー・ルイスさんはまだご存命です。